第1章 分散分析

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このページは、令和2年4月24日に一部更新しました。
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1.1 節 分散分析とは

一般に、研究者が関心を持つ従属変数に対して影響を持つと考えられる多く の独立変数すなわち要因のうち、少数の要因に絞り他はできる限り統制し、少数 要因の効果の有無を統計的に検討する方法の全体を、 実験 計画法 (design of experiments 又は experimental design) と呼ぶが、狭 義にはそれによる分析手続きを分散分析 (analysis of variance, 略して ANOVA)と呼ぶ。

分散分析自身も、狭義のそれと広義のそれの両方を含む。すなわち、狭義には分散 分析というと1変量分散分析を指すが、広義には1変量分散分析だけでなく、共分散分析 (analysis of covariance 略して ANCOVA)、 多変量分散分析(multivariate analysis of variance, 略して MANOVA)及び一般多変量分散分析 (general multivariate analysis of variance, 略して GMANOVA) が含まれる。

ANCOVA は狭義の分散分析における因子以外に、実験的に統制できないような定量 的な独立変数が存在する時、その影響を考慮した分散分析を行う方法である。 一方、MANOVA とは、狭義の分散分析が従属変数として1変量のみを仮定するの に対して、多変量を仮定する分散分析である。したがって、1変量分散分析は、 多変量分散分析の特別な場合と言うこともできる。最後の GMANOVA は、MANOVA を さらに一般化したもので、MANOVA が通常独立測度の効果のみを検討するのに 対して、複数の独立測度や反復測度の効果、さらには独立測度と反復測度の 交互作用の効果等も同時に検討することができる。
いずれにせよ、分散分析は一言で言えば、

観測値(observation) の変動を、その原因と考えられる複数の成分に分解し、 各成分の効果の有無を検討する方法

と言えよう。

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