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1.3.7 SAS における4つの平方和とその選択

 SAS では、glm プロシジャで、分析に際して4つの 平方和が用意されており、Type I 平方和Type II 平方和Type III 平方和Type IV 平方和と呼ばれる。要因が 2つ以上あるデザインの場合、これらは場合によって異なるので、その選択には 注意を要する。

 まず、Type I 平方和は、逐次平方和 (sequential sums of squares) とも呼ばれ (Draper & Smith, 1981)、複数の要因を並べた順に 追加していく時のモデル平方和の増加を評価する。したがって、Type I 平方和は一 般的には、要因の投入順序により異なった値を取る。ただし、要因相互が直交して いる場合(主として釣り合い型デザインの場合)には、この平方和は投入順序に依 存しない。

 Type II 平方和は、当該要因と交互作用を持つような要因や同じく当該要因と 交絡するような要因以外のすべての要因の影響を差し引いた平方和で、 偏平方和 (partial sums of squares) とも呼ばれ る (Draper & Smith, 1981)。したがって、 Type II 平方和は、要因の投入順序に は依存しない (SAS, 1990)。

 Searle (1987) によれば、Type III 平方和は、Σ 制約付 モデルの平方和 (SS for Σ-restricted models) である。一方、Type IV 平 方和は、仮説平方和 (hypothesis SS) であり、SAS glm ルーチン自身により決定される仮説検定のための平方和である。

 Type III 平方和も Type IV 平方和も、偏平方和と呼ばれることがある (SAS, 1990)。デザインの中に全く欠測値がない場合、両者は一致する

 釣り合い型デザインでは、4つの平方和は、すべて等しい。また、交互作 用のない場合には、Type II 平方和、Type III 平方和、Type IV 平方和は一致する (Searle, 1987)。また、非釣り合い型デザインでも、交互作用項を含まない主効果 のみのデザインであれば、Type II 平方和とType III 平方和は一致するが、 交互作用項を含んだデザインでは、両者は異なる(竹内監修、高橋ら、1990)。 このような場合、高橋らはType II 平方和を用いることを薦めている

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