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1.6.2節  2要因反復測度デザインとその考え方

  1.2 節で述べたように、RBF-IJ デザインでブロック因子の各水準に各被験者が 対応する場合は、IJ 個の水準に対して被験者はすべて反応させられることになり、 デザインは反復測度デザインとなる。

  2要因反復測度デザインでも、1.5.2 節で述べた1要因反復測度デザインの場合に 生じたと同様な検定の自由度のインフレが生じる可能性がある。ただし、2要因の 場合には、1.6 節の最初にもふれたように、球形仮定は2要因を込みにしたときの 球形仮定である大局的球形仮定と、大局的球形仮説が棄却されたときに検討すべき 局所的球形仮定の2つに増える。

  2要因の場合、局所的球形仮説はそれぞれの主効果に関するものと、両者の交互 作用項に関するものの合計3つになる。もし、大局的球形仮説が採択されるような データの場合には、これら3つの局所的球形仮説はすべて満たされるので、自由度の 修正は不要となる。

  逆に、大局的球形仮説が棄却された場合には、2要因の場合3つのいずれに ついて局所的球形仮定が成立するのかそれともしないのかを検討する必要がある。

  2要因反復測度デザインで、問題を複雑にしているのは、これらの球形仮説 の成否と加算的モデルか非加算的モデルかの選択が関連してくる点である。

  すなわち、2要因反復測度デザインでは、Table 1.14 のようなデータが得ら れる 母集団 (population, parent population) の特徴により、ブロック因子との交互 作用分散σ2A\times BL 、σ2B\times BL 、 σ2A\times B\times BL の有無、したがって (1.180) 式の成立の有無が 決まり、その結果加算的モデルを採用するか非加算的モデルを採用するかが決まる。 さらに、非加算的モデルで処理要因の効果を見る場合でも、たとえばつぎのF比、

(1.181)

は、母集団の特徴によっては必ずしも正確なF分布に従うとは限らないので注意を 要する。これらの点については、第2章で詳しく述べる。

  1. 最後に、 乱塊要因でザインでは、各要因の水準がすべて2水準から なる場合でも、大局的球形仮説を考える時には、4水準又はそれ以上になるので、 各要因ごとの局所的球形仮説は自動的に満たされているが、大局的球形仮説は 満たされているとは限らないし、したがって加算的モデルか非加算的モデルかの 検討は必要である。

  2. また、 SAS や SPSS では特別なプログラムを組まない限り、どんな データでも非加算的モデルとして処理してしまうので注意が必要 である。これらの点については、のちの出力例を参照のこと。

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