平成22年度問題16への解答・解説
この頁は、平成23年8月1日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月5日に一部更新しました。
このページでは、平成22年度問題16への解答・解説・問題の評価を行う。
1) 正解 d
2) 解説
- a は正しい。我々が検討したい仮説は通常作業仮説と呼ばれ、これをいったん否定したものを
統計学では帰無仮説という。帰無仮説が否定された時点で、われわれは作業仮説は正しかった、
と判断するからである。「
- b は正しい。ただ、「第一種の誤り」という表現よりは、「第一種の過誤」という表現が
よく使われる。また、「帰無仮説を棄却することが誤った判断になっている場合を」とあるが、
これもあまり正確な定義とは言えない。より正確には、「第一種の過誤とは、帰無仮説が正しい
にもかかわらず、これを棄却する確率」であり、「誤った判断になっている場合」という表現
は、過去形の出来事のようにも解釈でき、「確率」という概念を正確に表現しているとは言い
にくい。
- c は正しい。ただ、こちらも「第2種の誤り」という表現よりは、「第2種の過誤」という表現
の方がよく使われる。また、「帰無仮説の採択が誤った判断になっている場合を」とあるが、
これもあまり正確な定義とは言えない。より正確には、「第二種の過誤とは、帰無仮説が間違って
いるにもかかわらず、これを採択する確率」であり、「誤った判断になっている場合」という表現
は、過去形の出来事のようにも解釈でき、「確率」という概念を正確に表現しているとは言い
にくい。
- d は間違い。有意水準とは、第一種の過誤の別名である。
- e は正しい。
3) 問題16の評価
問題16は、統計的検定の基礎知識を問うものである。
引用文献