2.2節  偏回帰係数の推定

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このページは、令和2年5月7日に一部更新しました。

 ここで、Ys の予測値

(2.6)

と実測値 Ys =ys の差をサンプル全体に亘り最小にするような β0 , β1 , ... ,βm のうち、β0 に関しては、そのような β0 は、

(2.7)

であることが容易に証明できるので、X 、β から β0 に 関する項を落とし、確率変数 Ys の変わりに実現値としての ys を用いて、

(2.8)
(2.9)
(2.10)

と置くと、モデルによる yB の推定値 B は、

(2.11)

とも書ける。  

  ここで、 m は、もとのモデルの誤差をサンプル全体に亘り最小にする ような偏回帰係数ベクトルの推定値ベクトルであり、 B は、 それによる予測値ベクトルの推定値ベクトルである。 βm最小二乗 推定量は、

(2.12)

である。m は、つぎのようにも書ける。

(2.13)

あるいは、

(2.14)

ここで、

(2.15)
(2.16)
(2.17)
(2.18)

ここで行列 Cm は、標本共分散行列、Um は標本不偏共分散行列、 ベクトル cm は、基準変数と予測変数との間の標本共分散を、同じくベク トル um は標本不偏共分散を縦に並べたものである。

  さらに、

Dm = diag {sj } (あるいは diag {uj }) . (2.19)
  すなわち、対角行列 Dm の対角要素に各予測変数の標本分散の平方根 sj を並べたものを用いると、

(2.20)

とも書ける。ここで、Rm は、標本相関行列(sample correlation matrix)で、

(2.21)
(2.22)
(2.23)

  また、この時、

(2.24)

  ここで、

Ns2y = ||yB||2 = ytByB , (2.25)
(2.26)

であることが容易に証明できるので、上の関係から、

(2.27)

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