第4章 ニューロンの発火モデル

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 このページでは、ニューロンの発火モデルについて解説する。

4.1 ニューロンの発火モデルの研究の歴史
4.2 積分発火モデル
4.3 発火率モデル
 References

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この頁は、平成28年7月18日に新たに開設しました。
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4.1 ニューロンの発火モデルの研究の歴史

 ニューロンの発火モデルは、ニューロンの発火についての McCulloch and Pitts (1943) に さかのぼる。最近では Cannon et al. (1983), Bernander et al. (1991), van Vreeswijk and Sompolinsky (1996), Salinas and Sejnowski (2002) などがある。

4. 2 積分発火モデル

 Kandel et al. (2013) によれば、積分発火モデル (integrate-and-fire model) では、つぎの仮定を置く:

  1. モデルは1つのコンパートメント(典型的には細胞体のみ)から成る、
  2. 膜電位と膜電流の関係は線形である、
  3. 閾値を超えると活動電位が生じる、
 このとき、シナプス電流 I を受けるニューロンの膜電位は次式で表される:
(1)

ここで、Cm は膜容量、Rm は膜抵抗、Vrest はニューロンの 静止電位である。

4. 3 発火率モデル

 Kandel et al. (2013) によれば、ニューロンとそれらの間の相互作用が発火率により記述される ネットワークでの1つ目の要素は、ニューロンが受け取る全シナプス電流 I とニューロンの発火率 との関係である。定常電流に対しては、この関係は発火率関数 r=F(I) によって与えられる。

 電流が時間とともに変動する場合、発火率は遅延を伴い時定数τで指数関数的にこの関数に近づく と仮定すると、

(2)
ここでτは時定数で膜とシナプスの時定数の影響を考慮したシステム全体としての時間的な応答 性を表す。

 2つ目の要素は、I とネットワークの他のニューロンとの関係である。ここでは、2つの 細胞集団からなるネットワークを仮定する。さらに、興奮性ニューロンの集団はすべて発火率 rE、抑制性ニューロンの集団はすべて発火率 rI で発火すると仮定す る。また、これら2つの集団への外部入力が hE および hI とする。 一方、2種類の集団間のシナプス結合強度は4種類を仮定する。それらは、WEE、 WII、WIE、WEI とする。このとき、2つの集団の対応する ニューロンそれぞれの発火率の変化は

(3)

(4)

微分方程式 (differential equation) で記述される。両式は、関数 F が 非線形であれば、非線形一階微分方程式系である。


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 References

 Kandel et al. (2013) によれば、ニューロンとそれらの間の相互作用が発火率により記述されるネットワークでの

 甘利俊一・外山敬介 (2000). 脳科学大事典 朝倉書店

 Sato, M. (1990). A learning algorithm to teach spatiotempral patterns to recurrent neural networks. Biological Cybernetics, 62, 259-263.

 Sato, M., & Murakami, Y. (1991). Learning nonlinear dynamics by recurrent neural networks. Proceedings of Symposium on some problems on the theory of dynamical systems in applied science, pp.49-63. World Scientific.

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