第8章 完全無作為化デザイン分散分析

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 この章は、つぎの3項から成り立っています:

8.1 完全無作為化デザイン ANOVA
8.2 統計ソフト SAS を用いた完全無作為化デザイン分散分析及び検定の実行手順

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このページは、平成17年1月12日に開設しました。
このページは、令和2年5月6日に一部更新しました

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 この章では、組み込んだ要因の効果の有無を統計的に検討するための 1つの方法としての 分散分析 (analysis of variance、略して ANOVA) を学ぶ。

 

統計ソフト SAS を用いた完全無作為化デザイン分散分析及び検定の実行手順

 以下の例は、国際的な統計ソフト SAS を用いた完全無作為化デザイン分散分析と その検定の手順を示す。SAS を実行する手順を示す前に、ここで利用するデータと出 力結果の一部、及びそのための SAS プログラムを紹介する。

 この節は、以下に順に示す例について、つぎの4項から成り立っている:

宿題

8.2.1.1データ例とその入力方法
8.2.1.2出力結果の例
8.2.1.3SAS プログラムの例
8.2.1.4SAS による具体的手順

8.2.1.1 データ例とその入力方法

 つぎのデータは、ここでは、心理統計学テキストの乱数表から取った架空 のデータである。

47
30
85
59
15

79
30
44
26
57

48
53
35
86
63

--- 心理統計学テキストの乱数表から取り出した、完全無作為化デザイン ANOVA のための 架空データ例 ---

 学生諸君は、まず心理統計学テキストの乱数表を開けて、各自の通し番号に対応する箇所から、縦に見て 続けて15個を特定する。これまでとは異なり、これらのデータは data フォルダ に入力するのではなく、諸君があらかじめダウンロードした SAS プログラム cr_anova.sas の中にあ るデータ部分を上の15個で置き換える(上書きする)必要があることに注意せよ。)

 各自で ecip の第1クライアント室のパソコンにログインし、z ドライブ -> SASUniversityEdition -> myfolders を選択し、その下の sasprog フォルダの中に、まずダウンロード し、つぎにそのプログラム cr_anova.sas の中の cards 文の下の例題データを削除 し、そこに上で特定したデータを入力し、当該 SAS プログラムを上書き保存する。

8.2.1.2 出力結果の例

 以下の検定結果は、後続の SAS プログラムよって得られたものである。


                                ANOVA プロシジャ

                              分類変数の水準の詳細

                         分類            水準    値

                         level              3    1 2 3


                    読み込んだオブザベーション数          15
                    使用されたオブザベーション数          15
                         CR-4 ANOVA for a student data                         2
                                          2009年12月15日 火曜日 午後06時30分09秒

                                ANOVA プロシジャ

従属変数: y

 変動因                 自由度         平方和       平均平方      F 値   Pr > F

 Model                       2     320.133333     160.066667      0.31   0.7400

 Error                      12    6221.600000     518.466667

 Corrected Total            14    6541.733333


                R2 乗      変動係数    誤差の標準偏差      y の平均

             0.048937      45.11862          22.76986      50.46667


 変動因                 自由度   Anova 平方和       平均平方      F 値   Pr > F

 level                       2    320.1333333    160.0666667      0.31   0.7400
                         CR-4 ANOVA for a student data                         3
                                          2009年12月15日 火曜日 午後06時30分09秒

                                ANOVA プロシジャ

               y における Tukey のスチューデント化範囲 (HSD) 検定

    NOTE: この検定は第 1 種の実験全体での過誤を制御しますが、 一般的に第 2
                        種の過誤は REGWQ より高いです。


                     アルファ                         0.01
                     誤差の自由度                       12
                     誤差の平均平方               518.4667
                     スチューデント化範囲の棄却値  5.04589
                     最小な有意差                   51.382


ラベルがすべての水準で同じ文字であるとき、どの対比較も統計的には有意ではありませ
                                      ん。


           Tukey グループ          平均      N    level

                        A         57.00      5    3
                        A
                        A         47.20      5    2
                        A
                        A         47.20      5    1
                       means of each level of the factor                       4
                                          2009年12月15日 火曜日 午後06時30分09秒

                                MEANS プロシジャ

                                  分析変数 : y

                オブザべーション
         level                数   N          平均      標準偏差        最小値
  ----------------------------------------------------------------------------
             1                 5   5    47.2000000    26.9295377    15.0000000

             2                 5   5    47.2000000    21.5800834    26.0000000

             3                 5   5    57.0000000    19.0918831    35.0000000
  ----------------------------------------------------------------------------

                                  分析変数 : y

                                オブザべーション
                         level                数        最大値
                  --------------------------------------------
                             1                 5    85.0000000

                             2                 5    79.0000000

                             3                 5    86.0000000
                  --------------------------------------------
                       means of each level of the factor                       5
                                          2009年12月15日 火曜日 午後06時30分09秒

            プロット : aver*level   凡例 : A = 1 obs, B = 2 obs, ...

57.000 +                                                                      A
       |
       |
       |
       |
       |
53.733 +
       |
       |
  aver |
       |
       |
50.467 +
       |
       |
       |
       |
       |
47.200 +A                                  A
       -+----------------------------------+----------------------------------+-
        1                                  2                                  3

                                         level

NOTE: 1 obs が欠損値です。

--- SAS の anova プロシジャによる完全無作為化デザイン ANOVA と検定結果 ---

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8.2.1.3 SAS プログラムの例

 以下には、そのためのSAS プログラムを示した。

 SAS による完全無作為化デザイン ANOVA 用プログラム

options ps=60 ls=80;

data work;
 do level=1 to 3;
  input y @;
  output;
 end;

 cards;
47 79 48
30 30 53
85 44 35
59 26 86
15 57 63
;

  title 'CR-4 ANOVA for a student data';
proc anova data=work;
  class level;
  model y=level;
  means level/tukey alpha=0.01;
  /* means level/tukey cldiff alpha=0.01; */
run;

  title 'means of each level of the factor';
proc means data=work;
  var y;
  class level;
  output out=temporal mean=aver;
run;

options ps=30 ls=80;
proc plot data=temporal;
  plot aver*level;
run;

--- 架空データを用いた、完全無作為化デザイン ANOVA 用のためのプログ ラム ---

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8.2.1.4 SAS による具体的手順

プログラムのダウンロード・コーナー (授業で指示する日の翌朝まではダウンロードできません)

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cr_anova.sas

情報処理教育センター (ecip) で行う場合

  1. インターネットエクスプローラ (IE) を開き、千野のホームページの うえのダウンロードコーナーからプログラムを z ドライブ -> SASUniversityEdition -> myfolders の下の sasprog フォルダに保存する。

  2. デスクトップ画面から SASUniversity Edition を起動し、所定の手順に従い、 デスクトップ上に SAS Studio なる画面を表示させる。

  3. その後の手順については、春学期授業の最初に配布するウエブ操作に関する ファイルを参照のこと。なお、この宿題の場合、SAS Studio 画面に SAS program を読み込んだら、データの部分を各自の宿題用のデータに書き換えること。

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