平成11年度問題24への解答・解説

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この頁は、平成14年9月30日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月3日に一部更新しました。

 このページでは、平成11年度問題24への解答・解説・問題の評価を行う。

1) 正解 b

2) 解説

 この種の問題では一般的に言って、受験者が正確な当該統計指標の定義を 知らないと解けない。

 この問題の中で定義されている一致率は、 コーエンの一致係数 (Cohen's measure of agreement) である。当該一致係数の正確な定義は、

 この問題では、偶然の一致率 P_c は分かっているもの(.35)として、 当該一致率の計算をさせるような質問になっているが、定義からは、P_o のみなら ず P_c も本来は標本から推定するべきものである。

 いずれにせよ、ここでは、X の推定値計算のためには、P_c の推定値 [P_c(hat)] は既知としているので、P_o の推定値 [P_o(hat)] のみ計算すればよい。

 P_o(hat) は、上式から、

P_o(hat) = Σ(f_ii)/N

であるので、P_o(hat)=Σ(f_ii)/N = (42 + 25 + 25)/100 = 92/100 = 0.92 と なる。したがって、X、正確にはその推定値 Xhat は、問題にある式を使うとすれば、

Xhat = (0.92 - 0.35)/(1 - 0.35) = 0.8769...

となり、正解は b ということになる。

 なお、もし P_c、正確には P_c(hat) が与えられていない場合には、

P_c(hat) = [Σ(f_i*)(f_*i)]/(N×N)

を用いて標本からこれを計算する必要がある。実際、これを計算すると

P_c(hat) = [47×42 + 28×27 + 25×31]/10000 = 0.3505

となる。

3) 問題24の評価

 問題24は、少し特殊な指標であり、初等統計の本には必ずしも紹介されて いないので、受験者は知らないと解けないであろう。

引用文献

  1. Cohen, J. (1960). A coefficient of agreement for nominal scales. Educational and Psychological Measurement, 20,37-46.
  2. Bishop, Y. M. M., Fienberg, S. E., and Holland, P. W.(1975). Discrete Multivariate Analysis -Theory and Practice. Cambridge: The MIT Press.
  3. 竹内啓 (1989). 統計学辞典 東洋経済新報社

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