平成5年度問題42への解答・解説

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この頁は、平成14年9月11日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月2日に一部更新しました。

 このページでは、平成5年度問題42への解答・解説・問題の評価を行う。

1) 正解 c

2) 解説

 この問題は、平成4年度の問題24の内容に近い。この種の問題は、他の 問題の所で述べたように、間違いに確信が持てる項目を消去していく方法が 戦略的にはよいであろう。

 この問題では、受験者が

と判断できれば、解答の選択肢の○、×の並びから、正解はすぐ c とわかる。

 各選択肢については、「平成4年度問題24への解答・解説」の中の テスト(検査)の信頼性 (reliability)を参考にせよ。ここでは、若干の解説を加える。

  1. A について

      信頼性の定義には、大雑把に言えば、相関係数を用いる方法と測定誤差を用いる方 法があるので、正しい。ここで、「標準誤差」(standard error) とは、一般には標本 分布の標準偏差を意味する。ただし、

    のように呼び、区別することがある(柴山、1999)。

  2. B について

     Kuder-Richardson の公式は、内部一致性により信頼度を表すものであり、検査を2 回実施する必要はない。

  3. C について

     折半法は、平行テスト法、再検査法、内部一致性による方法と並び、代表的な信頼 性測定の方法であるので、間違いである。

  4. D について

     「安定性」は微妙な表現ではあるが、再検査法の特性を表しており、正しい。

  5. E について

     平行テストでのテスト実施間の間隔は1週間である必要はない。

3) 問題42の評価

 前年に続き心理検査の信頼性の問題が出されたことになり、その点であまり望ましいことではないのではないか?

参考文献

  1. 肥田野直・瀬谷正敏・大川伸明 (1968). 心理教育統計学 培風館
  2. 芝祐順 (1991). 項目反応理論 - 基礎と応用 東京大学出版会
  3. 柴山直 (1999). 標準誤差 心理学辞典 pp.729-730. 有斐閣

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