平成20年度問題14への解答・解説

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この頁は、平成21年9月30日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月5日に一部変更しました。

 このページでは、平成20年度問題14への解答・解説・問題の評価を行う。

1) 正解 b

2) 解説

  1. A については、因子分析 が潜在因子を仮定するのに対して、そのような潜在 因子を仮定せずデータの縮約のみを図る方法なので、主成分分析を指す。そ こで、この言明は間違い。
  2. B については、正しい。
  3. C については、潜在因子を仮定しているので、因子分析のこと。そこで、この 言明は間違い。
  4. D については、認定協会としては、正しいとしている。また、入門的テキスト、例えば 岩原 (1999) でも、分散分析を「3つ以上の代表値間の有意差」という章(第22章) で説明している。

     しかし、たとえ要因の水準数(群の数)が2の場合でも、医学・薬学などで常用される 無作為化比較試験 (Randomized Controlled Trial) は、正真正銘の分散分析の1つである ことは、明らか。元来、分散分析の条件としては、 Fisher の実験計画法の3原則、あるい は、局所管理を除く2原則(反復、無作為化)がなされているかどうかであり、水準数 (群の数)が3水準以上かどうかではない。

     一方、入門書に出てくる通常の2群の平均の差の検定は、必ずしも分散分析とは言え ない。この方法では、もともと両群の分散の等質性を前提とはしていないし、2群への 無作為割り付けも前提としていないからである。

3) 問題14の評価

 この問題では、因子分析と主成分分析の違いがわかっていないと間違いやすい。ただし、因子 分析と主成分分析の違いをこの問題14まで厳密に区別して使っている場合は少ないであろう。

引用文献

  1. 千野直仁(2009). 講義テキスト「計量心理学a」 成文堂

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