平成9年度問題22への解答・解説

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この頁は、平成14年9月24日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月日に一部更新しました。

 このページでは、平成9年度問題24への解答・解説・問題の評価を行う。

1) 正解 b

2) 解説

 この種の問題では一般的に言って、受験者が確信の持てる選択肢への正誤の 情報から解答を絞るのがよい。ここでは、しかしながら順に簡単に解説する。

  1. a. は、相関係数 の二乗が2変数間の関連性の強さを表すが、相関係数の値そのものは関係 の強さを表さない(2変数間の直線的関係の有無は表す)ので、間違い。
  2. b. は、相関係数に限らないが、有意性検定は一般にサンプル数が大の場合、 少しの差でも有意になる可能性が高くなるので、正しい。
  3. c. は 、相関係数の二乗は2つの変数間の共通部分の大きさを指すが、もと の値のままでは、そのような意味はないので、間違い。
  4. d. は、言明中の「A と B は一定の関係がある」という表現がわかりにくい が、それが A と B は一定、の意味であるとすれば、間違い。
  5. e. は、相関関係は必ずしも因果関係を意味しないので、間違い。

3) 問題22の評価

 問題22は、は、記述 b. と d. の文章が、あまり適切とは思えない。b. につい ては、サンプル数の多さと有意性検定の是非の問題以外に 相関係数の分布の特 殊性をあげるとすれば、そこにも書いたように、母相関がゼロの場合の検定に正規 分布近似を利用するとすれば、収束が遅いことがあげられるが、任意母相関の場合 には、Fisher の z 変換の収束は r のそれと比べて早いことぐらいであろう。

 また、記述 d. の文章の中の「A と B は一定の関係」という表現も、わかりづ らく、またあいまいな表現であり、A と B の和が一定なのか、A も B も一定なの か、誤解をまねく。もちろん、これらのいずれにせよ、間違いではあるが。 

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