平成7年度問題12への解答・解説

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この頁は、平成14年9月14日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月2日に一部更新しました。

 このページでは、平成7年度問題12への解答・解説・問題の評価を行う。

1) 正解 e

2) 解説

 この種の問題では一般的に言って、受験者が確信の持てる選択肢への正誤の 情報から解答を絞るのがよい。ただし、ここでは、以下のように問題を順に 見ていくことにする。

  1. A については、「帰 無仮説を採択することによって、効果があることを主張」 とあるので、これは間違いである。効果があることを言う場合は、通常は、 帰無仮説を棄却する。  
  2. B については、これらの統計量は間隔尺度レベルであればよいので、正 しい。

     

  3. C については、相 関係数は必ずしも因果関係を意味しないので、間違いである。

     

  4. D については、検定の有意水準5%、1% は、通常 習慣的な取り決めによるとされているので、一応正しいと言えよう。

3) 問題12の評価

 問題22は、心理尺度に関する入門レベルではあるが、一見まどわされやすい 言明が多い。

 強いてあげれば、言明 A は「一般に」という単語が、必ずしも適切ではない。 というのは、統計的検定では、帰無仮説が棄却された場合効果がある、という 場合と、帰無仮説が採択された場合副作用などの効果に差がない、と言いたい 場合の両方があるから。

 言明 D については、統計的検定での有意水準の値の由来を知らない受験者に とっては、迷うところであろう。また、言明そのものは、有意水準1% や5% は "単に習慣的な取り決めに過ぎない" と断定的であるが、必ずしもそれ程断定 的には言えないことは、Cowles and Davis (1982) を見れば明らかである。

 つまり、正確に言えば、(1% や)5% の由来は、彼らの文献的研究によれ ば、Fisher (1925) が5% 水準という言い方をしている以前から、有意性の基準として 確率 誤差 (probable error) の3倍という基準が Gosset (ペンネーム、Student) らにより使われていたという。これは、正規分布の場合、おおざっぱに言えば 1.96σ に当たり、5% 水準に近い、というわけである。

引用文献

  1. Cowles, M. and Davis, C. (1982). On the origins of the .05 level of statistical significance. American Psychologist, 37, 553-558.
  2. 千葉大学統計グループ訳 (1987). ケンドール統計学用語辞典 丸善
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