この頁は、平成14年9月14日に新たに開設しました。
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このページでは、平成7年度問題12への解答・解説・問題の評価を行う。
この種の問題では一般的に言って、受験者が確信の持てる選択肢への正誤の 情報から解答を絞るのがよい。ただし、ここでは、以下のように問題を順に 見ていくことにする。
問題22は、心理尺度に関する入門レベルではあるが、一見まどわされやすい 言明が多い。
強いてあげれば、言明 A は「一般に」という単語が、必ずしも適切ではない。 というのは、統計的検定では、帰無仮説が棄却された場合効果がある、という 場合と、帰無仮説が採択された場合副作用などの効果に差がない、と言いたい 場合の両方があるから。
言明 D については、統計的検定での有意水準の値の由来を知らない受験者に とっては、迷うところであろう。また、言明そのものは、有意水準1% や5% は "単に習慣的な取り決めに過ぎない" と断定的であるが、必ずしもそれ程断定 的には言えないことは、Cowles and Davis (1982) を見れば明らかである。
つまり、正確に言えば、(1% や)5% の由来は、彼らの文献的研究によれ ば、Fisher (1925) が5% 水準という言い方をしている以前から、有意性の基準として 確率 誤差 (probable error) の3倍という基準が Gosset (ペンネーム、Student) らにより使われていたという。これは、正規分布の場合、おおざっぱに言えば 1.96σ に当たり、5% 水準に近い、というわけである。