|
|
|
|
このホームページは、2024年9月17日に一部を更新しました。 |
博士(教育心理学)
平成24年 (2012) 4月下旬に刊行されたこの著書は、千野直仁 (1997). 「非対称多次元 尺度構成法」以降に計量心理学等の分野で発展してきた非対称 MDS の最近の話題、及び刺激同 定実験や刺激認知実験の分野で古くから発展してきた方法のうち対象を多次元距離空間に埋め 込む方法を、対称、非対称 MDS の数学的に厳密な定義からはじめ、多くの具体例とその分析結 果を示しながら解説するものである。
今回の著書では、前回の千野の著書に比べ、計量心理学や認知心理学の分野の例のみならず、 行動生物学の分野の鳥類のつつきの順序データ、インターネット上でのウイルスの伝搬の非対称 性、サンゴ礁の群落の繁殖の非対称性、ニューラルネットワークにおける対称ヘブ則の非対称 ネットワークへの拡張、等の例も紹介し、今後に残された多くの課題についても議論する。
今回は、インパクトファクターも1を超える統計学関連の国際誌論文もある、若手でかつ非 対称 MDS の第1線で活躍しつつある、佐部利真吾氏及び岡田謙介氏にも加わっていただき、1950 年代にさかのぼる対称 MDS の簡単な紹介から最新の話題までを理論的に正確にかつ、わかりやす く紹介するだけでなく、関連する数学的知識についても可能な限り紹介する自己完結的な著書 を目指したもので、 非対称データの解析に興味を持つ読者には是非一読してほしい著書である。
なお、この著書のまえがきと奥付にはそれぞれ1か所づつ、重大な校正ミスがある。第1に、 まえがき部のミスは、その3頁目の下方の人名にあり、「中川正宣」氏を「中川正宣言」氏として いる点である。読者の皆様及びとりわけ中川氏には大変申し訳なく、心よりお詫びしたい。
また、第2に、奥付の第1著者の学部卒業年「1970年」を「1979年」としている点である。0と 9の間違いを結果的には見落としてしまった。この点についても読者の皆様にお詫びしたい。
この著書は、Holly Arrow、岡林春雄、Alan Fogel、河合優年、中川正宣、小島康次氏
及び私の分担執筆によるものである。この中で、私は第7章 集団のシステム解析ー
微分・差分方程式モデル (pp.119-150) を主に担当した。
第7章では、微分力学系による集団のシステム解析、差分力学系による集団のシステム
解析、力学系におけるカオスと記号力学、及び複素力学系による集団のシステム解析、
等について解説した。
第7章は、著者が十数年前に解説した、三隅二不二・木下冨雄編「現代社会心理 学の発展 II」 ナカニシヤ出版 第6章 数理モデル、の簡単な紹介だけでなく、 微分力学系、差分力学系、記号力学系、及び複素力学系についての基礎的概念にも 触れている。
この著書は、培風館の新たなシリーズ「心理学の世界」35巻の中の、第1グループ 「教養編」5巻、第2グループの「基礎編」12巻、に続く第3のグループ「専門編」 18巻の中の第16巻であり、吉野氏と私及び山岸氏によるものである。この中で、 私は第3章 心理学における微分力学系の基礎 (pp.109-164) を分担執筆した。 心理学では、数理心理学の分野を中心に、心理学的現象を力学系の言葉で分析する 方法はかなり古くから知られているが、力学系、とりわけ微分方程式により表される 系(システム)の振る舞いについての数学的・基礎的理論について解説したものは少 ない。さらに、それらの中でもとりわけ微分力学系の定性理論についての解説や応用 例を紹介したものはあまりみられない。そこで、第3章では、これらについて簡単に 紹介する。とりわけ、後半ではこの定性理論を、小集団の成員が下位集団を形成した り一旦得られた下位集団が分解していく過程の記述や予測に応用するためのメタモデ ルを紹介し、微分力学系の定性理論が如何に多様な成員の相互作用の過程を記述した り予測したりする可能性を秘めているかを示す。
第3章は、著者が十数年前に解説した、三隅二不二・木下冨雄編「現代社会心理 学の発展 II」 ナカニシヤ出版 第6章 数理モデル、の理論編として位置づける ことができる。
非対称多次元尺度構成法(略して、非対称 MDS)は、70年代の中頃から内外の多
くの計量心理学者により開発されつつある多次元尺度構成法(MDS) の1つで、ソシ
オマトリックスなどのような複数の対人相互の非対称な親近度や、その他任意の対象
間の非対称データ(行列)(例えば、複数の単語の連想強度データ、複数の刺激間の
混同行列、非対称正方分割表、国家間の輸出量データ、地域間の移民・移動データ、
インターネットのサーバ間の閲覧度数データなど)を手にした時、各対象を何らかの
多次元空間上に位置づけ、各対象対象相互の遠近関係をわかりやすく図示する方法
である。
従来の MDS(非対称 MDS との対比では、対称 MDS と言える) が、対象間の対称な
類似度データをもとに、各対象をユークリッド空間などの距離空間の位置づけるのに
対して、非対称 MDS ではこれまでに各対象のいろいろな空間表示の仕方が提案され
てきている。本書は、これら内外のこれまでに提案された方法を網羅し、それらを
整理しわかりやすく紹介したものである。
ここでは、本書の推薦文、著者による前書き、及び目次の紹介と、各章の図、表を
中心とした本書の抜粋を掲載する。
講義ノート
Version 1.04.
この研究ノートは、主として教育や心理学の分野の研究で頻繁に使 われる、いわゆる反復測定(測度)デザインデータの分散分析 (ANOVA)と、一般化多変 量分散分析 (GMANOVA、これはいわゆる多変量分散分析 MANOVA を反復測定要因も含む 場合に拡張したもの) の基礎と応用を解説したもので、通常の(反復測定要因を含まな い)分散分析 (ANOVA) の基礎の解説から始まり、反復測定(測度)ANOVA、MANOVA、 GMANOVA の解説を行い、さらにこれらの方法の SAS プログラムを含む具体的適用例を 載せたものである。
なお、クライアントはこの中に掲載されている筆者 作成の如何なる SAS プログラムも、自由にダウンロードして使えるようにして ある。ただし、これらのうちの一部ではデータ入力部に永久 SAS ファイルを保存するためのディレクトリ(フォルダ)のパスを UNIX の言葉で記述 してあるので、Windows 版を利用されているクライアントは、そこのみ Windows 用に変更する必要がある。
この研究ノートの詳細を見る前に、 反復測度分散分析における楽観的見解が如何に危険であるかの簡単なシミ ュレーション結果を、 ここをクリックして 見るとよい。
最後に、この研究ノートにある反復測定デザイン分散分析の理論やプログラム例 については、筆者の以下の論文等が参考になる:千野直仁 (1995). 教育や心理の分 野における ANOVA、MANOVA、GMANOVA の適用上の問題点 愛知学院大学文学 部紀要 第25号 71-96.
なお、このテキストの内容は、あくまでも反復測定 ANOVA に関するものであり、 したがって、要因の効果はあくまでも固定効果に限定される。
これに対して、最近では変量効果も分析可能な(一般)線形混合モデル (general linear mixed model) 、誤差項の正規性を仮定せずまたモデルパラメー タの線形性も仮定しない一般化線形モデル (generalized linear model) やそれをさらに混合モデルの場合に拡張した一般化線形混合モデル (generalized linear mixed model) あるいは非線形混合モデル (nonlinear mixed model) などが世界の主要な数理統計学の分野での雑誌で提案されており、 例えば SAS では、(一般)線形混合モデルは MIXED プロシジャ、一般化線形 混合モデルや非線形混合モデルは NLMIXED プロシジャにより利用できるように なっており、近々それらの理論の紹介や SAS プログラムのダウンロードコーナー なども追加する予定である。これらについての紹介は、以下の年報論文で行ってい るので参考にされたい:千野直仁 (2003). 反復測定データの分析とその周辺 教育心理学年報 第42 集 日本教育心理学会 pp.107-118.
この研究ノートは、主として教育や心理学の分野の研究で頻繁に使 われている基礎的な統計処理から多変量解析の中の因子分析、重回帰分析、判別分析、 対応分析、ロジスティック回帰分析、共分散構造分析までを解説し、具体的なデータと SAS プログラムの出力結果を解説したものである。クライアントは、この中に掲載さ れている筆者作成の如何なる SAS プログラムも自由にダウンロードして使えるよう にしてあるのでご利用頂きたい。
なお、SAS プログラミングの基礎については、このテ キストの付録に解説してあるので併せて利用されたい。なお、この研究ノートは、筆者がこれまで愛知学院大学文学部及び心身科学部心理学科の講義「計量心理学」 および、愛知学院大学大学院文学研究科及び心身科学研究科心理学専攻博士課程前期の講義で使用して きたものをベースにして修正・追加してきたものである。
この研究ノートは、筆者が数年来愛知学院大学文学部心理学科の講義「心理 統計学」で使っていたものをインターネット上に移植したものである。
この頁では、統計学、心理統計学、及び 計量心理学の分野での幾つかの耳寄りな話題について紹介し、解説する。
千野のホームページを訪問していただき有り難うございました。もしよろしければ、 以下の質問にお答え下さい。