このページでは、順次各年度の臨床心理士試験問題とその解答及び解説を行う。 読者が問題に目を通してから、その問題番号をクリックすると解答と解説、及び 問題自身に対する評価、の画面が現れるので、参考にされたい。また、これらの ページでは、解説する内容の中に現れる統計学的専門用語についても、必要と思 われる内容については、筆者のホームページの必要なページにリンクが張ってあ るので、参考にされたい。また、解説にあたっては、極力引用文献を最後に掲げ るようにしたので、参考にされたい:
この頁は、平成14年9月7日に新たに開設しました。
この頁は、令和2年5月23日に一部更新しました。
毎年の具体的な問題をリストアップする前に、これまでの臨床心理士試験問題に 統計関連問題が占める割合について、まず見てみよう。毎年、全体としては100 題の問題が課されるが、臨床心理士資格認定協会が「臨床心理士になるために」 (誠信書房)に公表している問題(及び解答)はそのうちの多い年で40題である。当試験 は平成3年度から実施されているが、ここでは入手できた平成4年度以降、前年度 分までについて見てみた。Table 1 は、毎年公表される統計関連試験問題数とその 推移を表にしたものである。
年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
問題数 | 3 | 3 | 2 | 2 | 4 | 3 | 1 | 4 | 1 | 2 | 2 | 4 | 4 | 4 | 1 | 3 | 3 | 2 | 1 | 4 | 2 | 4 | 5 | 0 | 2 | 64 |
これを見ると明らかなように、平均的にはおよそ40題中3題弱が統計関連の問題であることがわかる。 これはおよそ8パーセントなので、毎年出題される100題のうち、7、8題は統計関連の問題 であると推測される。
10歳と15歳の男女30名ずつに A, B 2種のテストを施行したところ、 (下の)表のような平均値を得た。A, B 両テストの全員の結果に対して別々に分 散分析法を用いて統計的処理を行ったところ、一部の主効果と一部の年齢×性 間の交互作用が有意になったという。次の語句の組み合わせのうち、有意とな ったものの最も適切な組み合わせを1つ選びなさい。
A テスト | B テスト | ||||
---|---|---|---|---|---|
年齢 | 男 | 女 | 年齢 | 男 | 女 |
10 | 80 | 85 | 10 | 70 | 80 |
15 | 100 | 95 | 15 | 90 | 100 |
a. A テストの男女差 - A テストの年齢差 - A テストの交互作用 |
b. A テストの年齢差 - B テストの年齢差 - A テストの交互作用 |
c. A テストの年齢差 - B テストの男女差 - B テストの交互作用 |
d. B テストの男女差 - B テストの年齢差 - B テストの交互作用 |
e. A テストの年齢差 - B テストの男女差・年齢差 - A テストの交互作用 |
次の心理検査に関する記述のうち、適切なものに〇、不適切なものに×をつけ た場合、その組み合わせとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 標準得点とは、個人の得点と標準化集団の平均得点との差を標準 化集団の標準偏差で除し、10倍した値に50を加えた数値である。 |
B. あるクライアントの検査得点が70パーセンタイルに位置すると は、標準化集団内ではそのクライアントより高得点の人が70 %を占めるという意味である。 |
C. 知能検査の通過率とは、当該年齢集団でその項目に正当を与えた %である。 |
D. 質問紙の項目妥当性係数は、検査の総得点と当該項目の得点との 相関係数から得られる。 |
A B C D
a. 〇 × 〇 〇
b. 〇 × × 〇
c. 〇 〇 × 〇
d. × 〇 〇 ×
e. 〇 × 〇 ×
次の心理検査の信頼性に関する記述のうち、適切なも のに〇、不適切なものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいも のを1つ選びなさい。
A. 信頼性の程度を表示するには、相関係数を利用する方法と測定 誤差を利用する方法がある。 |
B. 信頼性とは、その検査が測ろうとしているものをどの程度測定 しているかを表す測度である。 |
C. 信頼性を推定する場合、Kuder-Richardson の方法やα係数を 用いることがある。 |
D. 折半法を用いて求めた信頼性係数は、検査で得られる結果の安 定度を表している。 |
A B C D
a. 〇 × 〇 ×
b. × 〇 × 〇
c. 〇 × 〇 〇
d. 〇 × × ×
e. × × 〇 ×
次の文の空欄 A、B、C に入れるのに、最も適した語の組み合わせを 1つ選びなさい。
一般に統計的検定は、ある A の性質について知るために、その A からランダム に選んだ B についてデータを求め検定を行う。そのために、まず A の性質に 関して C を立て、それを検定により否定することによって、ある主張をする。 C が正しいのに間違っていると結論づける危険率が、ある水準(例えば 0.05) 以下であるときに、その検定結果が有意であるという。
次の Q 分類の特徴についての記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
a. 質問紙法の得点を整理する方法である。 |
b. 最近開発された方法である。 |
c. コンピュータによる統計処理を必要とする。 |
d. 他者による評定法である。 |
e. 各評定段階に対する項目数が予め決められている。 |
心理検査の信頼性を測定する様々な方法がある。次の 文章のうち、適切なものに〇、不適切なものに×をつけた場合、その組み 合わせで正しいもの を1つ選びなさい。
A. 測定の標準誤差を用いて信頼性を表すことができる。 |
B. Kuder-Richardson の公式を使う場合は、検査を2回実施する 必要がある。 |
C. 折半法は、質問紙法の信頼性測定には不向きである。 |
D. 再検査法による信頼性係数は、検査結果の安定性を表している。 |
E. 平行検査を用いる場合は、1週間の間隔をおく。 |
A B C D E
a. 〇 × 〇 × ×
b. × × 〇 × 〇
c. 〇 × × 〇 ×
d. 〇 〇 × 〇 〇
e. × 〇 × 〇 ×
次のピアソンの相関係数についての文中の空欄 A、B、C、D に挿入するのに、 最も適切な用語の組み合わせを1つ選びなさい。
相関係数は、2つの変数の関連を表す A をそれぞれの変数の B の積で割った 値であり、測定値の単位や C の大きさとは独立した関連の強さを示す 指標である。この値は、+1 から -1 までの範囲の数値をとるが、値が 0 の時 は2つの変数が無相関であることを示し、また2つの変数の関連が強いほど、 その D が大きくなる。
心理尺度に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
a. 心理測定に用いる尺度の多くは、間隔尺度(距離尺度)や比率 尺度(比例尺度)である。 |
b. 順序尺度では数値の大小関係が意味を持つため、測定の結果、 4の値を割り当てられた被検査者は、8の値を割り当てられた 被検査者よりもその測定した能力に関して、2倍の能力を持つ ことになる。 |
c. 平均値、分散などの統計量を求めるための統計的操作を行うに は、絶対的な原点と等間隔の単位を持った尺度があることが 必要である。 |
d. 間隔尺度による心理測定では、30の得点を得た被検査者と40 の得点を得た被検査者との差と、80の得点を得た被検査者と 90の得点を得た被検査者との差は等価と考えて良い。 |
e. 名義尺度では、数値について加減の演算だけを行うことが出来る。 |
統計的処理に関する記述のうち、適切なものに〇、不適切なもの に×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から最も適切なもの を1つ選びなさい。
A. 統計的検定に際しては、一般に、ます母集団について帰無仮説 をたて、その帰無仮説を採択することによって、「効果がある」 ことを主張することになる。 |
B. 平均値、分散、相関係数などの統計的操作は、間隔尺度で測定 が行われていれば適用できる。 |
C. 一般に、A、B 2つの変数の間で得られた相関係数の値の絶対値 が大きいほど、この2つの変数の間に因果関係があると結論して よい。 |
D. 統計的検定において、有意水準5%、ないし1% とするのは、た んに習慣的な取り決めに過ぎない。 |
A B C D
a. × 〇 〇 ×
b. 〇 × × 〇
c. 〇 〇 × ×
d. × × 〇 〇
e. × 〇 × 〇
心理検査にかかわる統計に関する次の記述のうち、適切なものに〇、不適 切なものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から最も適切な ものを1つ選びなさい。
A. 知能や学力の得点はほぼ正規分布に従う。この正規分布は誤差 分布とも呼ばれる。 |
B. 知能偏差値は必ずしも正規分布を前提としない。 |
C. ビネー式の個別知能検査の問題は該当年齢の児童の 90% が通過 するように設定してある。 |
D. パーセンタイル得点はいわば順位尺度で、65パーセンタイルと は全体を 100として百分の 65 番目(反対から 36 番目)という ことである。 |
E. YG 性格検査では偏差値ではなくパーセンタイルの尺度が用いら れている。 |
A B C D E
a. 〇 × × 〇 〇
b. × 〇 × 〇 ×
c. 〇 × 〇 × ×
d. 〇 〇 〇 × 〇
e. × × × 〇 〇
統計的処理に関する次の記述のうち、適切なものに〇、不適切なもの に×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から、正しいもの を1つ選びなさい。
A. 順位尺度で表された測定値は、平均値や分散を求めることができない。 |
B. 統計的検定において、有意水準を5%、ないし1% に設定するのは、 習慣的な約束に過ぎない。 |
C. 間隔尺度を用いて測定した結果、被験者 A の能力が60点、被験者 B の能力が90点であった。したがって被験者 B の能力は被験者 A の能力の 1.5 倍である。 |
D. 2つの変数の間に正の相関があるときは、両者の変数の間に因果 関係がある。 |
A B C D
a. × × × 〇
b. × 〇 〇 ×
c. 〇 〇 × 〇
d. 〇 × 〇 ×
e. 〇 〇 × ×
10人に対して、あるテストを行ったところ、以下のような結果であった。
1点 - 1人、2点 - 1人、3点 - 1人、5点 - 1人、6点 - 1人、
7点 - 1人、8点 - 2人、9点 - 1人、10点 - 1人
このサンプルにおける代表値と分布形状を表す数値の組み合わせのうち、 正しいものを下の a ~ e の中から1つ選びなさい。
次の A ~ D のデータの分析目的に最も適切な分析法の組み合わせ を下の a ~ e の中から1つ選びなさい。
A. セールスマンを新規採用するにあたって、販売成績に関連する 要因として性格に目をつけた。そこで現在雇用しているセールスマンを対象 に複数の因子を想定している性格検査を行った。彼らの販売実績と性格検査 の結果からどのような性格因子が販売成績に影響を与えるのかを知りたい。 |
B. 母親の子どもに対する養育態度を研究するために、母親を対象に 養育態度に関わる質問紙調査を行った。簡単なデータ整理を行ったところ、 項目の中には養育態度に関連の無いものも含まれていた。研究目的に沿った 適切な項目を抽出し項目を整理したい。 |
C. プロ野球の球団の類似度を幾人かの人に評定してもらった。自分なり に球団の類似度に対する基準を考えてきたが、それが実際の類似度に関連して いるか確かめたい。また、自分の予想しているとおりに球団間に類似関係が 現れるか確かめたい。 |
D. A 社ではプログラマーとして採用した社員の約3分の1が社内教育 の後、適性が欠けるために職場替えを余儀なくされる。現在まで社員に行って きた様々な能力検査の結果からプログラマーの適性を見分けるテストを作成 したい。 |
A | B | C | D | |
a. | 重回帰分析 | 判別分析 | 因子分析 | クラスター分析 |
b. | 重回帰分析 | 因子分析 | クラスター分析 | 判別分析 |
c. | 判別分析 | クラスター分析 | 因子分析 | クラスター分析 |
b. | クラスター分析 | 重回帰分析 | 判別分析 | 因子分析 |
c. | 分散分析 | 判別分析 | クラスター分析 | 因子分析 |
心理検査の信頼性に関する次の記述のうち、適切なものに〇、不適切なもの に×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを1 つ選びなさい。
A. 信頼性とは、検査項目間の内的整合性のことである。 |
B. 信頼性を推定する方法の1つに α係数を算出する場合がある。 |
C. 妥当性が低くても信頼性が高い場合がある。 |
D. 再検査法による信頼性は、検査結果の安定度を調べている。 |
A B C D
a. × × × 〇
b. × 〇 × 〇
c. 〇 × 〇 ×
d. 〇 〇 × ×
e. × 〇 〇 〇
代表値について述べられた次の文章のうち、正しいものに〇、誤っている ものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から適切なもの を1つ選びなさい。
A. 最頻値は、どの様な尺度のデータにも適用できる代表値である。 |
B. 最頻値は、名義尺度にしか適用できない代表値である。 |
C. 平均値は、間隔尺度、比例尺度に適用できる代表値である。 |
D. 平均値は、どの様な尺度のデータにも適用できる代表値である。 |
E. 中央値は、順序尺度、間隔尺度、比例尺度に適用できる代表値である。 |
A B C D E
a. 〇 × 〇 × ×
b. 〇 × × × 〇
c. × 〇 〇 〇 ×
d. × 〇 × 〇 〇
e. 〇 × 〇 × 〇
因子分析に関する次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに× をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から適切なものを1つ 選びなさい。
A. 因子分析によって抽出された因子は、注目している構成概念と 一致している。 |
B. 因子分析を行った結果、抽出された因子が多ければ多いほど 優れた分析だと言える。 |
C. 共通性とは、それぞれの変数の分散のうち、抽出された因子に よって説明される割合をさし、重相関分析における重決定係数 (説明率)に相当する。 |
D. 因子負荷量とは、それぞれの変数と抽出された因子間の関係の 強さを表し、0から1の間の値をとる。 |
A B C D
a. 〇 × × ×
b. × × 〇 ×
c. × 〇 × 〇
d. 〇 〇 × 〇
e. × × 〇 〇
相関に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
a. | 相関係数で r=0.8 は、r=0.4 の2倍2変数の関係が強い ことを意味する |
b. | ピアスンの相関係数の有意性を検定する場合、データの 数が多い場合にはあまり意味がない |
c. | A と B の2つの変数の相関係数が 0.5 である場合には、 A 変数の値によって B 変数の 50% が説明できることを意味する。 |
d. | A B 2変数間のピアスンの相関係数が検定の結果統計的 に有意である場合には、A と B は一定の関係があると結論することがで きる |
e. | A B 2変数間に一定の相関があるということは、A B 2 変数間に因果関係があるということを意味する。 |
データ分析を行う場合、独立変数や従属変数の特徴によって使える統計手法 は異なる。データの特徴を質的(カテゴリー)および量的(連続値)として 分類した場合、使用可能な多変量解析に関する次の a ~ e の組み合わせの中 から、適切なものを1つ選びなさい。
従属変数の種類 | 独立変数の種類 | 使用できる統計手法 |
---|---|---|
質的 | 質的 | A |
量的 | B | |
量的 | 質的 | C |
量的 | D |
A | B | C | D | |
a. | 因子分析 | 判別分析 | 分散分析 | 重回帰分析 |
b. | 数量化理論 II 類 | 主成分分析 | クラスター分析 | 数量化理論 I 類 |
c. | 重回帰分析 | 分散分析 | 判別分析 | 数量化理論 I 類 |
d. | 数量化理論 II 類 | 判別分析 | 数量化理論 I 類 | 重回帰分析 |
e. | 分散分析 | 因子分析 | クラスター分析 | 数量化理論 II 類 |
統計的検定に関する次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに× をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを1つ 選びなさい。
A. 「変数 X と変数 Y の平均値に有意差がある」ということは、 帰無仮説が棄却されることを意味する。 |
B. 「変数 X と変数 Y の間の相関は有意である」ということは、 両変数間に因果関係があることを意味している。 |
C. 有意水準を 5% とした場合に「有意である」と結論することは、 その結論が 95% 以上の確率で意味を持つことを示している。 |
D. 正規分布においては、約3分の2の標本は平均から±1標準偏差 の範囲にある。 |
A B C D
a. 〇 〇 〇 ×
b. 〇 × × 〇
c. 〇 〇 × 〇
d. × × × ×
e. × × 〇 ×
ピアソンの積率相関係数に関する次の記述のうち、適切なものに〇、適切 でないものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しい ものを1つ選びなさい。
A. 相関係数を調べようとしている二つの変数がいずれも順位尺度 としての性質をもつ場合は、積率相関係数を算出するのが理想的である。 |
B. 積率相関係数 r=0.3 と r=0.7 の差の意味は、r=0.6 と r=1.0 の差の意味に等しい。 |
C. 決定係数とは、一方の変数の変動j(分散)から説明できる 他方の変数の変動(分散)の比率であり、積率相関係数 r の二乗と して求められる。 |
D. 相関係数の強さを解釈する際には、研究のねらいには関係なく、 一律に一定の基準を適用すべきである。 |
A B C D
a. 〇 〇 〇 ×
b. × × 〇 〇
c. 〇 × × 〇
d. × × 〇 ×
e. 〇 〇 × ×
下記の表は、2名の評定者が被験者の視線の方向をコーディングしたもので ある。一般的な一致率 (P_0) は容易に求められるが、両者が偶然に一致する 確率を考慮に入れた一致率を算出する場合には、X = (P_0 - P_c)/(1 - P_c) が用いられる。偶然の一致率 (P_c) を .35 としたときのX のおよその値 を下の a ~ e から選びなさい。
評定者 A | |||||
---|---|---|---|---|---|
評定者 B | カテゴリー | 中央 | 右 | 左 | 計 |
中央 | 42 | 0 | 0 | 42 | |
右 | 2 | 25 | 0 | 27 | |
左 | 3 | 3 | 25 | 31 | |
計 | 47 | 28 | 25 | 100 |
a. .92 b. .88 c. .85 d. .82 e. .78
心理検査の信頼性に関する次の記述のうち、適切なものに〇、適切でない ものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から最も適切なも のを1つ選びなさい。
A. 信頼性を調べるとは、検査の内的整合性を検討することである。 |
B. 信頼性係数の値が既知の場合は、測定の標準誤差によって個人 得点の真の値を推定することができる。 |
C. 項目数が多くなっても、信頼性が高くならない場合がある。 |
D. α係数は、検査を一回だけ実施した結果から信頼性を推定する 方法である。 |
A B C D
a. × 〇 〇 ×
b. 〇 〇 × ×
c. 〇 × × 〇
d. × 〇 × 〇
e. 〇 × 〇 ×
重回帰分析に関する次の記述の中から、適切でないものを1つ選びなさい。
a. | 基準変数が1つ、予測変数が複数ある場合に役立つ手 法である。 |
b. | 予測変数を線形に加算する形で予測を行う。 |
c. | 因果関係を推察するのに有用な解析方法である。 |
d. | 決定係数は、重相関係数の二乗であり、基準変数の分散 の説明率に相当する。 |
e. | 標準偏回帰係数により、予測変数の予測における重みを 知ることができる。 |
分散分析に関する次の記述の中から、最も適切なものを1つ選びなさい。
a. | 主効果をまず検討し、それが有意なら、次に交互作用を 検討する。 |
b. | 個人間と個人内の要因の誤差を分けて分析する。 |
c. | 有意な結果について、F 値の大きさをよく検討して、 効果の大きさを判断する。 |
d. | 多くの集団を比較するといった場合に、全体として差が あったら、次に集団を対にして、t 検定を行う。 |
e. | 様々な変数間の関連を見るときは、各々を上位・下位の 集団に分けて、様々に組み合わせ、分散分析をおこなうとよい。 |
心理検査に関する次の記述のうち、下の a ~ e の組み合わせの中から、 正しいもの を1つ選びなさい。
A. 測定値と真値との相関が、信頼性係数である。 |
B. 項目分析は、その質問紙検査の内的整合性をみている。 |
C. CAT は、TAT の平行テスト法による信頼性の推定を意図して 作られた心理検査である。 |
D. 折半法による信頼性の検討は、ロールシャッハ・テストでは できない。 |
a. B D
b. A C
c. B C
d. A B
e. C D
次の文章の空欄 (A B C D) にあてはまる語句の組み合わせとして、下の a ~e の組み合わせの中から最も適切なものを一つ選びなさい。
実験や調査によって得られたデータは、数量(数値)化され、適切な統計法で分析 される。数量化されたデータは、野球選手の背番号のような [A] 尺度、成績評価や好き嫌いの大きさといった、順位はつくが順位間の間隔が等しいとは限らない順序尺度、温度のように値の間に等しい間隔が保障される間隔尺度、あるいは時間のように等しい間隔とゼロ点が保障される [B] 尺度に分類される。また、データの中で、最も典型的な値を代表値というが、これには最頻値、[C] 値、平均値がある。平均値は、[D] 尺度のデータには用いることができない。
A | B | C | D | |
a. | 比率 | 名義 | 中央 | 順序 |
b. | 比率 | 名義 | 偏差 | 間隔 |
c. | 名義 | 比率 | 偏差 | 間隔 |
d. | 名義 | 比率 | 中央 | 順序 |
e. | 名義 | 比率 | 中央 | 間隔 |
重回帰分析において注意すべきことに関する次の記述のうち、誤っているもの を一つ選びなさい。
a. 偏回帰係数の大きさは、すぐに影響力と見なさないように注意する。 |
b. 予測変数の数を多くしないようにする。 |
c. 交差妥当性を確かめる。 |
d. 予測変数間の相関は低い方がよい。 |
e. 重相関係数を大きくするために、予測変数を出来る限り多数加えてい く。 |
次の文章の空欄 (A B C) に該当する語句として、下の a ~e の組み合わせの 中から正しいものを一つ選びなさい。
心臓病患者のクオリティ・オブ・ライフ (QOL) に及ぼす認知行動療法の効果を評価 するための研究では、被験者を [A] にグループ分けして、[B] を実施する。この際、 統制群を設定しているので、[C] と呼ばれる。。
A | B | C | |
a. | 無作為的 / | 操作・介入 / | 準実験法 |
b. | 無作為的 / | 操作・介入 / | 完全無作為比較 統制試験 |
c. | 無作為的 / | 前後比較テスト / | 非完全無作 為比較統制試験 |
d. | 作為的 / | 前後比較テスト / | 二重盲検比較 統制試験 |
e. | 作為的 / | 前後比較テスト / | プラシーボ (偽薬)比較統制試験 |
次の記述のうち、適切なものに〇、適切でないものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から最も適切なものを1つ選びなさい。
A. ある不安尺度を入学試験前と試験後に実施したところ、試験後には得 点が有意に低下した。この結果は、この不安尺度の構成概念妥当性を支持す る証拠の一つである。 |
B. 内容的妥当性とは、テスト項目の内容を専門家が判断することによって 評価される妥当性のことである。 |
C. 基準関連妥当性とは、同一の個人に対して、一定の期間をおいて同じ テストを実施した場合に、一貫した結果が得られることで評価される。 |
D. 入学時の筆記試験の併存的妥当性は、入学後の成績を外的基準として 評価される。 |
A B C D
a. 〇 〇 × ×
b. × 〇 〇 ×
c. 〇 × × ×
d. × × 〇 〇
e. 〇 〇 × 〇
統計的検定に関する次の記述のうち、適切なものに〇、適切でないものに×をつけ た場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを1つ選びなさい。
A. 正規分布においては、2分の1の標本は平均から±1標準偏差の範囲に ある。 |
B. 2つの変数間の相関係数が有意であっても、これは、両変数間に因果 関係があることを意味するものではない。 |
C. 2つの変数の平均値の差が有意であるということは、帰無仮説が採択 されることを意味している。 |
D. t 検定を使用する場合、標本の母集団が正規分布をなしているという 仮定が必要である。 |
A B C D
a. 〇 × 〇 ×
b. × × × 〇
c. 〇 〇 × ×
d. × 〇 × 〇
e. 〇 〇 〇 ×
心理検査に関する次の記述のうち、下の a ~ e の組み合わせの中から正し いものを1つ選びなさい。
A. 因子的妥当性は、投映法検査でも測定される。 |
B. 信頼性が高ければ、妥当性も高い。 |
C. 信頼性係数とは、測定値の分散に対する真値の分散の割合である。 |
D. 質問項目数が多いほど、一般に信頼性は高くなる。 |
a. A B
b. A C
c. B C
d. B D
e. C D
行動分析におけるシングルケース研究のための実験計画法に関する次の記述のうち、
適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中か
から正しいものを一つ選びなさい。
A. オペラント心理学においては、ある個体のある時点におけるある反応の 出現は、個体を取り巻く環境的要因の影響を強く受けているので、個体の反応 の出現頻度や反応の大きさの変化について、個体ごとに図示するのが原則で ある。 |
B. シングルケース実験計画法といえども、研究としては対象者が一個体で は認めがたいので、少なくとも、統計学的に有意差検定ができるサンプル数 を必要とする。 |
C. 下図は、シングルケース実験計画の例の中でも、A-B-A 型デザインと称 されるもので、導入された操作効果の再現性を確かめる上で最適である。 |
D. レスポンデント心理学における研究法には、基礎研究であれ、臨床研究 であれ、基本的には下図に示すように、基礎水準測定期(図中 A)と操作導入 期(図中 B)、第2基礎水準測定期(図中 A')の3段階が存在する。 |
| A | B | A' |
| (基礎水準期) | (操作導入期) | (基礎水準期) |
| | × | |
| | × × × | |
あ | | × × | × |
る | | | |
標 | | | |
的 | | × | × × |
行 | | × | × × |
動 | | | |
の | × × × × | | |
出 | × × | | |
現 | | | |
頻 | × | | |
度 | | | |
| | | |
| | | |
-------------------------------------------------------------------- セッション
図 A-B-A 型実験計画
A B C D
a. ○ 〇 × 〇
b. × × 〇 ×
c. 〇 × ○ ×
d. × 〇 ○ 〇
e. 〇 × × ×
心理学実験や調査に関する方法の説明について、最も適切でないものを一つ 選びなさい。
a. 「統制」とは、2つ以上の水準(条件)から構成される独立変数(X) を操作し、水準間での従属変数(Y)の違いを測定する方法論のことで ある。 |
b. 実験において、「因果関係」とは、独立変数(X)を操作することに よる従属変数(Y)への影響のことである。 |
c. 「剰余変数」とは、独立変数(X)以外で従属変数(Y)に影響を及ぼ す可能性のある変数のことである。 |
d. 「相関関係」とは、一方の変数(X)が変化すれば、もう1つの変数 (Y) も変化することである。 |
e. 調査において、「説明変数」とは、変数(Y)の違いを説明するために 設定される変数(X)のことである。 |
正規分布に関する次の記述のうち、適切なものに〇、適切でないものに×をつけ た場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを1つ選びなさい。
A. 正規分布の曲線は期待値と標準偏差がわかると決まってしまう。 |
B. ±標準偏差の間に含まれる領域は、約 1/2 である。 |
C. 正規分布ではふつう X 軸が漸近線として表現される。 |
D. 正規分布はガロア分布、あるいは誤差分布とも呼ばれている。 |
A B C D
a. × ○ × ×
b. ○ × ○ ×
c. × × ○ ○
d. ○ × ○ 〇
e. 〇 〇 × ○
心理検査の妥当性に関する次の記述のうち、適切なものに〇、適切でないものに ×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを1つ選びな さい。
A. 妥当性とは、検査が意図しているものを的確に測定していることを 言う。 |
B. 検査の信頼性と妥当性は、相反的関係にあり、両立はむずかしい。 |
C. 信頼性の高い検査は、妥当性も高い。 |
D. 表面的妥当性は、真の妥当性とは関係がないが、被験者のテスト に対する動機づけのためには必要である。 |
A B C D
a. ○ × × ×
b. ○ × × ○
c. × ○ × ×
d. ○ × ○ ×
e. × 〇 〇 ○
心理学的研究法に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。
a. 自然的観察法は、行動そのものを対象とするので、乳幼児や障害児、動物などを対象にすることができるが、観察対象となる行動が生起するのを待たなければならないことや観察の視点や解釈が主観的になりやすい短所がある。 |
b. 質問紙調査法は、個人の内面を幅広く捉えるのに有効であり、一度に多くの要因を考慮したデータを集めることができると同時に、得られたデータの客観的処理ができる長所がある。 |
c. 実験的観察法は、観察の視点や解釈が客観的に行われ、因果関係について信頼できる推測が可能であり、変数を操作することは容易である。 |
d. 面接法は、こころの内面を理解し、相手の回答に応じてより深い質問ができる反面、客観的に統制することが難しく、一度に大量のデータを得ることができない。 |
e. 観察法で問題とされる信頼性のために、複数の評定者(観察者)が独立に同じ対象に対するカテゴリー分類を行う方法が用いられ、さらにサンプルの数(サンプルサイズ)を多く確保することでより安定した結果が得られる。 |
メタ分析に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選びなさい。
a. 独立に行われた複数の研究結果を要約して、記述する方法である。 |
b. 二つの標本の平均値の差の検定法。 |
c. 変数間の因果関係を分析するための統計手法。 |
d. 二つの変数間の関連性の強さの度合いを示す統計測度。 |
e. 名義尺度によるデータの各カテゴリーの度数の比に関する仮説を検証する統計手法。 |
次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わ せの中から最も適切なものを一つ選びなさい。
A. 信頼性の高い心理検査は、一般に妥当性も高い。 |
B. 妥当性の高い心理検査は、一般に信頼性も高い。 |
C. クロンバックのα係数は、内的整合性によって信頼性を推定する方法である。 |
D. 統計的仮説検定では、「差がある」と「効果がある」という仮説を設ける。 |
A B C D
a. × ○ ○ ×
b. ○ ○ ○ ×
c. × × ○ ○
d. ○ × × 〇
e. × 〇 × ○
心理学に用いられる統計に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。
A. 標準偏差は、あるデータが平均からどの程度はずれているかを示す統計量である。 |
B. 相関係数とは、2変数の相関の強さと方向を表す統計量である。 |
C. 3条件以上の平均値の比較において、分散分析の結果、有意差が認められない場合には、多重比較を行うとよい。 |
D. 両側検定は仮説の方向性のある検定であり、片側検定よりも有意になりやすい。 |
A B C D
a. × ○ ○ ○
b. ○ ○ × ×
c. × × ○ ○
d. ○ × ○ ×
e. 〇 〇 × ○
次の項目のうち、信頼性と関係のある用語として適切でないものを一つ選びなさい。
a. 内的整合性 |
b. 構成概念 |
c. 折半法 |
d. Cohen の κ係数 |
e. Cronbach のα係数 |
統計に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから最も適切なものを一つ選びなさい。
ある小学校で1年生の身長を測定した。男子20人の平均身長が118cm(標準偏差=6.7)で、
女子20人の平均身長が109cm(標準偏差=4.8)であった。両群の不偏分散比はF=1.95 であった。
男女差があるかどうか t検定を行ったところ t=4.76 となった。5パーセント水準の臨海値は、
不偏分散比 F で 2.59、t 値で 2.02 である。
A. 両群の分散は等質と考えてもよいので、t 検定が適用できる。 |
B. この t 検定に対応する自由度は、男子の人数×女子の人数なので400である。 |
C. 検定結果から、5%の有意水準で男女差があると統計的にいえる。 |
D. 身長はもともと順序尺度なので、t 検定を行ってはならない。 |
A B C D
a. ○ ○ × ×
b. × ○ × ×
c. × ○ × ○
d. × × × ○
e. 〇 × 〇 ×
心理検査の実施に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから最も適切なものを一つ選びなさい。
A. 検査の選択から実施、報告に至るすべての過程で、検査者の主体的判断 は大切である。 |
B. 検査を受けることに対する被検者の不安は、すべて取り除くことが大切 である。 |
C. 検定実施前に、被検者の成育歴や問題の状況を可能な範囲で知っておく とよい。 |
D. テスト・バッテリーとしては、可能な限り数多くの検査を使用すればする ほどよい。 |
A B C D
a. ○ ○ × ○
b. × × ○ ×
c. × ○ × ○
d. ○ × ○ ×
e. 〇 ○ × ×
信頼性の検討の方法に関する次の次の文章の空欄 [A B C D] に該当する語句として、 下の a ~e の組み合わせの中から最も適切なものを一つ選びなさい。
A B C D
a. Spearman-Brown 平行 外的 β Cohen のκ (kappa)
b. Spearman-Brown 折半 外的 α Cronbach の α(alpha)
c. Spearman-Brown 折半 内的 β Cohen のκ (kappa)
d. Kuder-Richardson 折半 内的 α Cronbach の α(alpha)
e. Kuder-Richardson 平行 外的 α Cronbach の α(alpha)
統計に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから正しいものを一つ選びなさい。
不眠症と診断された患者60人、健常者90人を無作為に選んだところ、飲酒に関して下表の
ようなデータが得られた。この結果から、不眠症患者と健常者における飲酒率の比率に差が
あるかどうかを検定することになった。
飲酒者(人) | 非飲酒者(人) | 計(人) | 飲酒率(%) | |
---|---|---|---|---|
不眠症患者 | 45 | 15 | 60 | .75 |
健常者 | 45 | 45 | 90 | .50 |
計 | 90 | 60 | 150 | .60 |
A. 度数の母比に差があるかを分析するので、χ二乗検定が適用できる。 |
B. 飲酒率の平均から t 検定が適用できる。 |
C. どちらかの群の飲酒率が高いと想定していないので、片側検定を行う。 |
D. 適用された検定の統計値は8.36となった。またその時の5%水準の臨界値 は3.84 なので、飲酒率に差があるといえる。 |
A B C D
a. ○ × × ○
b. × ○ ○ ×
c. ○ × ○ ×
d. × ○ × ○
e. × × 〇 〇
臨床統計に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから正しいものを一つ選びなさい。
A. 因子分析とは、さまざまな障害や症状に基づいて、総合的な要介護度を 見定める場合など、多くの変数が提供していた情報をできるだけ損なわず に、少数の変数に縮約する手法をいう。 |
B. 回帰分析とは、ある変数の値を他の変数の値で予測したり、どのような 変数が影響しているかを分析するときに用いられる。 |
C. 主成分分析とは、観察できる現象(変数)の背後に潜んでいて、直接には 観察できないものを探り出そうとする手法であり、数量的な変数を整理し たいときに役立つ。 |
D. 分散分析とは、3群以上の差の検定を行う方法である。さらに各水準の差 を個別に検定するためには多重比較法を用いる。 |
A B C D
a. ○ × ○ ×
b. × ○ × ○
c. ○ × × ○
d. × ○ ○ ×
e. × × 〇 ○
分散分析適用の前提として、次に示した基準 A~D 」と、その基準についての 説明1~5を組み合わせた場合、下の a ~e の組み合わせの中から最も適切な ものを一つ選びなさい。
基準
A.等分散性 B.相関性 C.正規性 D.独立性
基準についての説明文
1.この基準を満たすには、各水準の繰り返しの数が十分大きいことが望ましい。
2.この基準は、分散分析の前提として適切とはいえない。
3.この基準は、対象者を無作為抽出したり、各条件に無作為に割り当てることで
満たされうる。
4.この基準に関しては、各標本分散が3倍以内程度の範囲に収まっていれば、それ
ほど支障はない。
5.この基準を満たすには、観測値間の相関が高くなくてはならない。
A B C D
a. 2 5 1 4
b. 2 5 4 1
c. 4 2 1 3
d. 4 2 3 1
e. 4 5 1 3
統計に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の
a ~ e の組み合わせの中かから正しいものを一つ選びなさい。
A. ある尺度において、P 群は Q 群より得点が高いことを明らかにするため、 統計学的検定を行う場合、帰無仮説は「Q 群は P 群より得点が高い」である。 |
B. 3変数で偏相関を求めると、1つの偏相関係数が得られる。 |
C. メディアン検定では、直接確率法もしくはχ2検定を用いる。 |
D. 実験研究で予測に用いられる方の変数を独立変数、予測される方を従属変数 というが、調査研究では予測に用いられる変数を予測変数、予測される方の 変数を説明変数と表現することがある。 |
A B C D
a. ○ ○ × ×
b. ○ × ○ ×
c. ○ × × ○
d. × ○ × ○
e. × × 〇 ×
質問紙の作成に関する次の文章の空欄 [A B C D] に該当する語句として、下の a~e の組み合わせの中から正しいものを一つ選びなさい。
調査研究で多用されるのは、それぞれの用意された項目に対して、「非常にあてはまる」 から「まったくあてはまらない」のような5件法、7件法などといわれる段階的評定をして もらい、すべての項目の合計得点を個人の態度得点とする [ A ] 法といわれる評定法である。
この評定をゆがめる要因として、質問に対して「はい」、「賛成」と回答しやすい [ B ] 傾向や、「どちらでもない」を選択しやすくなる [ C ] 傾向、前の質問の内容が、後の質問 に対する回答に影響を及ぼす [ D ] 効果などがある。
A B C D
a. リッカート法 黙従 中心化 キャリーオーバー
b. リッカート法 黙従 集中化 キャリーバック
c. サーストン法 服従 中心化 キャリーオーバー
d. リッカート法 服従 集中化 キャリーバック
e. サーストン法 黙従 中心化 キャリーオーバー
統計的検定に関する次の記述の中から、適切でないものを1つ選びなさい。
a. 帰無仮説 (null hypoothesis) は、否定される予想のうえで立てられる統計的仮説である。 |
b. 帰無仮説を棄却することが誤った判断になっている場合を、第一種の誤りという。 |
c. 帰無仮説の採択が誤った判断になっている場合を、第二種の誤りという。 |
d. 有意水準とは、第二種の誤りの生じる確率の上限として定めた値である。 |
e. 有意水準のことを危険率ともいう。 |
尺度の水準に関する次の記述の中から、誤っているものを1つ選びなさい。
a. 名義尺度では、数字は名目的に使われる。名義尺度上の測定値は、平均を 求めても意味がない。 |
b. 順序尺度では、数字は測定する性質の順序を表す。順序尺度上の測定値は、 中央値を用いることができる。 |
c. 名義尺度と順序尺度で表されるデータに対して用いられる統計検定法は、 ノンパラメトリックなものに限られる。 |
d. 間隔尺度は、数字の等間隔性が保証された尺度である。間隔尺度上の測定値 は、平均値を求めても意味がない。 |
e. 比(比率)尺度では、比率を求めたり乗除の演算をすることができる。また 比(比率)尺度上の測定値は、平均値を用いることができる。 |
心理テストの妥当性に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけ
た場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから正しいものを一つ選びなさい。
A. 妥当性とは、測定しているものをどの程度一貫して測定しているかという、 テストの精度を表す概念である。 |
B. 妥当性は、折半法や再検査法で推定される。 |
C. 信頼性の高い心理テストは、妥当性も高い。 |
D. 妥当性には、大別して内容的妥当性、基準関連妥当性、構成概念妥当性の3つが ある。 |
A B C D
a. ○ × × ×
b. × ○ ○ ×
c. × × × ○
d. × ○ × ×
e. ○ × 〇 ○
HさんのWISC-III の下位検査評価点は、下図のとおりであった。その特徴に関する次の
記述の中から、正しいものを1つ選びなさい。
a. 動作性 IQ の方が、言語性 IQ よりも高い傾向になる。 |
b. 検査プロフィールの折れ線では、項目間に大きな差異は認められない。 |
c. 全検査 IQ が、概ね 70 以下の結果になる。 |
d. 4つの群指数のうち、「知覚統合」だけが低下する。 |
e. 言語性項目の「算数」だけが著しく低下する。 |
初回来談後、主治医から臨床心理士に I さんの心理検査の依頼があった。I さんに検査の
目的を告げて実施しようとしたところ、I さんは「こんなものをしても何の役にも立たない」と
言い放ち、受験を拒否した。このような場面で、臨床心理士のとるべき対応に関する次の記述の
うち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中か
から正しいものを一つ選びなさい。
A. 心理検査を受けないと I さんにとって不利になることを丁寧に説明し、説得 する。 |
B. なぜ役に立たないと思うかを穏やかに I さんに尋ね、I さんの状態をみながら 対話を深める。 |
C. 心理検査を実施するのが自分の義務であることを穏やかに伝え、自分の仕事の 遂行に協力していただきたいと、I さんに丁寧に依頼する。 |
D. 心理検査の受検を拒否することは、I さんの権利であることを保証する。 |
A B C D
a. × ○ ○ ○
b. × ○ × ○
c. ○ × × ○
d. × ○ ○ ×
e. × × 〇 ○
心理統計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選びなさい。
a. A, B, C の3つの変数がある時、変数 C の影響を除いた変数 A と変数 B の 相関係数のことを、重相関係数という。。 |
b. 重回帰分析において、独立変数間に高い相関があるとき、等分散性があるという。 |
c. 因子分析には、因子ベクトルを直交回転させるプロマックス法、因子軸を自由に 回転させるバリマックス法がある。 |
d. パス解析における非逐次モデルは、パス図において単方向の矢印をたどった時に、 少なくとも1つは元の変数に戻ることのできるモデルである。 |
e. 共分散構造分析では、GFI (Goodness of Fit Index) は、0から1までの値を とり、低い値であるほど説明力のあるモデルだと判断する。 |
尺度の水準に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、下の a~e の組み合わせの中から、正しいものを一つ選びなさい。
A. 名義尺度で用いられる統計的検定法は、ノンパラメトリックなものに限られる。 |
B. 順序尺度上の測定値は、中央値を用いることができる。 |
C. 間隔尺度上の測定値は、平均値を求めても意味がない。 |
D. 比尺度上の測定値は、平均値を用いることができる。 |
A B C D
a. × ○ ○ ×
b. ○ ○ × ○
c. × × ○ ○
d. ○ × ○ ×
e. × 〇 × ○
統計手法に関する次の組み合わせの中から、正しいものを一つ選びなさい。
a. 因子分析 -------- 多重共線性 |
b. 重回帰分析 -------- ウェルチの方法 |
c. 共分散構造分析 -------- GFI |
d. メタ分析 -------- ヘイウッド・ケース |
e. 分散分析 -------- バリマックス回転 |
統計学的検定は大きくパラメトリック検定とノンパラメトリック検定に分けられる。次の
記述のうち、ノンパラメトリック検定の組み合わせを示したものを下の a ~ e の
中かから選びなさい。
A. χ2検定 |
B. F 検定 |
C. t 検定 |
D. U 検定 |
a. A B
b. A C
c. A D
d. B C
e. B D
知能指数と発達指数に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×を
つけた場合、下の a ~ e の組み合わせの中かから正しいものを一つ選びなさい。
A. すべての知能検査の知能指数は、精神年齢と生活年齢の比から算出する方法 を用いている。 |
B. 新版 K 式発達検査の発達指数は、発達年齢と生活年齢の比から算出する方法 を用いている。 |
C. 知能偏差値(standard score: SS)という考え方は、現状になじまないので 現在は使用されなくなった。 |
D. Wechsler 知能検査における全検査知能指数は、解釈の際にもっとも重視すべ き変数である。 |
A B C D
a. ○ × ○ ×
b. × ○ × ×
c. ○ × ○ ○
d. × 〇 × ○
e. ○ ○ × ×
WAIS-III 知能検査の実施に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせを下
の a ~ e の中から一つ選びなさい。
A. すぐに検査を始めることなく、最初にラポールを形成する。 |
B. 群指数や IQ だけを算出する場合には、すべての下位検査を実施する必要は ない。 |
C. 検査が中断された場合、3カ月以内で2回目を実施することが望ましい。 |
D. ある下位検査が実施不可能な場合、代替検査を実施しないと、IQ を算出で きない。 |
a. A B
b. A C
c. A D
d. B C
e. C D
心理検査に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選びなさい。
a. Benton, A. L. が開発した聴覚記名検査は高次脳機能検査の一つであり、 聴覚認知、聴覚記名、聴覚構成能力を評価する。 |
b. Goodenough, F. L. は、子どもは見ているものよりも知っているものを 描くという事実から、風景画を用いた知能検査を開発した。 |
c. Binet, A. が Simon, T. と協力して作成した WISC では、精神年齢とい う概念が初めて導入された。 |
d. Kraepelin ,E. は、精神医学者であったが心理学にも興味を示し、臨床で 使える心理検査用具の開発に力を注いだ。 |
e. Bender, L. は、脳の器質的障害、精神障害者などの視覚・運動型における ゲシュタルト機能の視点から心理検査を開発した。 |
心理検査の妥当性と信頼性に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×
をつけた場合、下の a ~ e の組合せの中から、正しいものを一つ選びなさい。
A. 基準関連妥当性は、その心理検査が測定する心理特性を反映しているとされる 外的基準との相関によって表される。 |
B. 妥当性を表す指標として、内的整合性がある。これは統計的には項目得点の 相互相関の高さを表す指標である。 |
C. 信頼性とは、その心理検査が測定しようとしている心理特性を実際に測定 しているかどうかを表す指標である。 |
D. 心理検査のマニュアルには、信頼性や妥当性のデータが記載されていることが 多いので、心理検査を用いる場合は、その検査によって必要とする精度の測定値が 得られるかどうかを知ることができる。 |
尺度の信頼性に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×
をつけた場合、下の a ~ e の組合せの中から、正しいものを一つ選びなさい。
A. 再検査法は、2つの異なる集団に対して同じ尺度による測定を実施し、相関 を求める方法である。 |
B. 平行テスト法は、使用する尺度と同じ性質をもつ別の尺度を用意し、それら を同一集団に実施して尺度間の相関を求める方法である。 |
C. 折半法は、データを得た集団を2つに分け、グループ間の相関を求める方法 である。 |
D. クロンバックのα係数は、尺度に含まれる各項目に対する反応の内的一貫性 を推定する指標である。 |
(組合せ)
A B C D
a. ○ × ○ ×
b. ○ ○ × ○
c. × × ○ ○
d. × ○ × ○
e. ○ ○ ○ ×
次の文章の空欄(A B C D)に該当する語句として、下の a ~ e の組合せの中から、
正しいものを一つ選びなさい。
(組合せ)
A B C D
a. 妥当性尺度 D 合計点数 V 字
b. 妥当性尺度 D パターン(布置) 山
c. 妥当性尺度 K パターン(布置) V 字
d. 信頼性尺度 K パターン(布置) 山
e. 信頼性尺度 D 合計点数 V 字
心理テストの信頼性と妥当性に関する次の記述のうち、正しいものの組合せを
下の a ~ e の中から一つ選びなさい。
A. 古典的テスト理論では、テスト得点とは「真の得点」と「測定誤差」の和で あると考えられている。 |
B. あるテストを異なる集団間で実施する際に、特定の集団だけが有利になりやす い現象をテスト・バイアスと呼ぶ。 |
C. 一般にテストの項目数が多くなればなるほど、その信頼性は低くなることが 確認されている。 |
D. 現存のテストに新たなテストを加えて使用したところ、妥当性がより高まった。 この場合、新たなテストには弁別的妥当性があるといえる。 |
(組合せ)
a. A B
b. A C
c. B C
d. B D
e. D D
平成27年度は公開された40問の中には、統計学関連の問題はなかった。
次の文章の空欄(A B C D)に該当する語句として、下の a ~ e の組合せの中から、
正しいものを一つ選びなさい。
(組合せ)
A B C D
a. ヒストグラム 順序尺度 -1から1 信頼性
b. 散布図 間隔尺度 -1から1 因果関係
c. ヒストグラム 間隔尺度 0から1 信頼性
d. 散布図 順序尺度 0から1 因果関係
e. 散布図 間隔尺度 -1から1 信頼性
質問紙法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せを下の a ~ e の中
から一つ選びなさい。
A. 心理面接前後の感情や気分の変化を多面的に把握したい場合、最も適してい る心理検査は BDI-II である。 |
B. 妥当性尺度が備わっており、被検査者の受検態度を確認できる心理検査は MMPI である。 |
C. 不安の程度を、特性という側面と、状態という側面から把握できる心理検査 は STAI である。 |
D. 12 の性格特性を示す下位尺度と、その組み合わせによってできる6因子から 解釈できる心理検査は POMS2 である。 |
(組合せ)
a. A B
b. A C
c. B C
d. B D
e. D D
テストの信頼性と妥当性に関する次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×
をつけた場合、下の a~e の組み合わせの中から、正しいものを一つ選びなさい。
A. 知能の差を知るために脳の体積を測定した場合、測定値の信頼性は高いが妥当 性は低いと言える。 |
B. クロンバックのα係数とは、テストを複数の平行テストに分けて実施し、テス ト自体の妥当性を推定する値である。 |
C. ある適性検査の高得点者が実際の業務において優れた成績をあげたとき、その 適正検査は基準関連妥当性があるといえる。 |
D.集団差があると予測される2グループに対してテスト得点に差が生じたとき、そ のテストの信頼性は高いが、妥当性は低いといえる。 |
A B C D
a. ○ × ○ ×
b. 〇 ○ × 〇
c. ○ × ○ ○
d. × 〇 × ○
e. × ○ 〇 ×
心理検査に関する次の記述のうち、正しいものに〇、誤っているものに×
をつけた場合、下の a~e の組み合わせの中から、正しいものを一つ選びなさい。
A. 知能検査において算出された IQ 値などの合成変数は、被検査者の真の知能そ のものと理解することができる。 |
B. 折半法は、心理検査の信頼性を時間的安定性の観点から検証する手法の1つで ある。 |
C. MMPI の L 尺度は、故意に自分を好ましく見せようとする受験態度の検出を目的 に作成されている。 |
D. ロールシャッハ・テストにおける各指標は、全体の反応数の多少にかかわらず、 常に一定した被験者の心理特性を反映する。 |
A B C D
a. ○ 〇 × ×
b. 〇 × 〇 〇
c. × 〇 ○ ○
d. × × 〇 ×
e. 〇 × × 〇